KJ Photography

Weekend Photographer

お散歩スナップの極意

2014.05.16

walkingsnap

スナップ撮影をするにあたって、最も必要なのは速写性だと思う。
「ここだ!」と思った瞬間にシャッターが降りてるのが一番いいだろうけど、
さすがにそれは無理なので、「ここだ!」の瞬間からシャッターまでの時間が
少しでも短いことを理想と考えて、どうすれば撮れるのか?
私なりのやり方も含めてお話してみる。

速写性を最大化するためにはどういった手法があるだろうか?

■iPhoneを使う
これ、最強です。ロック画面からフリックするだけでカメラモードになるので、
瞬間を撮れる。下手なコンデジより画質もいい。これが最強

…と、言ってしまっては身も蓋も無いので、ちょっと制約条件を追加して、
「フルマニュアルのフィルムカメラでスナップを撮る」ということに限定してみる。
何故フィルムのフルマニュアルカメラに限定するかって?
そりゃ、フィルム写真が好きで、機械式カメラが好きだからである。

■露出
まず必要なのは適正露出で撮る方法だと思う。
フルマニュアルのカメラで一番時間がかかるのが露出を読んで→設定するところであろう。
例えばかわいい女の子がとてもいい光を受けて佇んでいたところに遭遇したとして、
そこからその場所の露出を測って、絞りとシャッター速度を決めて、ピントを合わせていたら、
きっとその女の子は待ち合わせていた彼氏と一緒にどこかへ行ってしまっているだろう。
と、いうわけで「その瞬間」には既にその場の適正露出がカメラに設定されているのが望ましい。
AEを使う、というのは先に付けた条件から外れるのでナシとすると、どうすればいいか?私は

常に自分のいる場の明るさを感じ、カメラの設定をその場の適正露出に合わせておく

ということをやっている。言葉で書くと偉そうですごいことをやっていそうだが、
内容はそんなかっこいいものではない。

umbrella

まず、お散歩開始したときにその場の露出に合わせておく
(露出計で測っても、勘露出でもどちらでもよい)。
そして、歩きながら常に明るさの変化を感じるよう心がける。
例えば最初の場所が日向で、その場所に合わせて設定したとする。
歩いていて日陰に入って2段くらい露出が落ちたかなーと思ったら2段分シャッター速度を遅くする
(絞りを開けるでもよい)。また日向に出たら、元に戻す。
こうすることで、常に「自分がいる場の適正露出設定」にカメラを保っておくことができる。
そうすれば、ハッとした瞬間、ピントだけ合わせてシャッターを切ることができるので、
瞬間を逃す確率が大幅に下る。

このやり方は勘で露出を合わせられるに越したことはないけれど、
最初のうちは「明るさがかわったなー」と思ったら露出計で測る、というやり方でも可能である。
繰り返していると、なんとなーく変化量がわかるようになってくる。

ちなみに、「自分が日陰にいるときに日向にいい被写体を見つけた」或いはその逆の場合は、
次の選択肢のうちどちらを選ぶか、瞬間的に判断を求められる。

①そのまま撮る
②露出を合わせてから撮る

被写体が本当に瞬間的なものだった場合は、間違いなく①を選ぶべき。
多少オーバーでもアンダーでも、撮れてないよりは撮れていたほうがいいわけなので。

そうでない場合は、②をするべきだが、常に露出を意識しながら歩いていれば、
「日向だから2段明るい」くらいの判断は即座にできるはずなので、さして時間はかからないであろう。

nikon house

■ピント
露出の次はピントである。ピントについては大きく分けてふたつ

①合わせる
②合わせない

当たり前だと思われるだろうが、当たり前である。
①の場合は、露出が合った状態なので、あとはピントを合わせるだけ、
ということで即座にピントを合わせて撮るだけである。
私もF2を使ってスナップを撮るときは比較的この方法が多い。
理由は一眼のピント合わせには慣れているから。
ただ、「本当に一瞬の瞬間」はのがしてしまうリスクがあることだけは否めない。

基本的に屋外のスナップある程度絞り込んでいればそこまでピントは外れないので、
厳密に合わせず雰囲気だけ合わせてシャッターを押すくらいでいいと考えている。
この考え方をもう少しファジーにしたのが、ゾーンフォーカス的に合わせる、という方法である。
F2ではなかなか難しかったのだが、ライカではこれがやりやすい。
なぜならピントレバーがついてるからである。
遠いなら無限遠のまま、中位ならレバーが左下くらい、近ければ真横、
くらいの位置まで動かしてやってシャッターを押してしまう。

絞り込んでいれば、これでもそこそこ合っているものである。

②の場合は、厳密にいうと「合わせない」わけではなく「ピント操作をしない」ということになる。
いわゆるパンフォーカスというやつである。
特に広角レンズで使える技であるが、絞り込んで被写界深度を稼ぎ、
写真全体にピントが合った状態にしてフレーミングだけして撮る、という手法である。
この方法であれば、写ルンです感覚で撮ることができるので、速写性は一番である。

who is?ß®

一般的な一眼レフとレンジファインダーで比較すると、
パンフォーカスで撮りやすいのがレンジファインダーである。
パンフォーカスとは、ピントをある距離に固定して、前後の被写体深度を利用して撮影する
手法であることは御存知の通りである。
では、その状態で、一眼レフのファインダーを覗くとどうなるか?
ぼやーっと締まりのない景色が見えると思う。

一眼レフは(一部の古いカメラを除き)絞り開放でピント合わせができるようになっている。
これは、絞りを開けた方が被写界深度が浅くなり、いわゆるピントが見やすい状態になるからである。
これが、パンフォーカスで撮ろうとすると厄介になる。
当然、撮影時には絞り込まれるのでピントは全面に合う…と頭ではわかっていても、
見えてる景色がピンぼけだと合わせたくなってしまうのが人の性であると思う
(中には気にならない人もいるのかもしれないが…)

かたやレンジファインダーはピントを合わせられるのがファインダーの中央のみであることから、
多少ずれていても気にならない。ましてやバルナックライカにおいてはピントとフレーミングの
ファインダーが別々であるので、なおさら気にならない。(気になる要素がない)
ライカがスナップに向いているというのは、こういった点でもあるのではなかろうか
(もちろん、他にもたくさんの理由がある…はず)

私がスナップをするときに心がけていることは以上2点だけである。
これだけ抑えておけば、あとは「被写体を見つける目」だけあれば素敵なスナップ写真が撮れると思う。

ちなみに、露出に関しても、ピントに関しても、上記のやり方では「ベスト」な状態にはならない。
しかし、スナップ写真として「いい写真」とは何か考えた時に、
「ピントが合っている」「露出が合っている」ことよりも
「ハッとした瞬間を切り取れている」ことの方が大切だと考えるので、
大きな問題ではないと考えている。

申し訳ないが、「ピントの合ってない写真など写真じゃない」
「リバーサルで露出バッチリじゃないと写真じゃない」という方は、
どうぞじっくりと腰を据えて撮っていただければいいと思う(或いはAF、AEを使うのもよしかな)
私も、ポートレイトのように、しっかりと撮る写真については
ピントや露出は非常に大切だと考えているので、
そういった写真を撮るときは腰を据えているつもりである。

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