KJ Photography

Weekend Photographer

伝説の8枚玉

2016.11.15

Roaster

「これ、Lマウントの8枚玉なんです」

数年前、熊本にいた頃に友達のライカ男子にそう言われた。

「へーそうなんですね!」

答えたものの、当時ライカに興味を持っていなかった私は
それがいかなるものなのか、よく理解していなかった。

Lマウントであることの希少性はおろか
8枚玉が何を意味するかも、わかっていなかった。

Night street

ライカには伝説化しているレンズがいくつかある
「8枚玉」と呼ばれるレンズもその1つである

細かい話はあちこちで語られているので
ここで中途半端なことを語ることは避けておくけれど
同じ35mmのズミクロンの中においても、
なぜだか中古価格が飛び抜けて高騰しているのである

そんなレンズが、中古相場に対してかなり低い値付けで
お店に並んでいるのを見つけてしまったのだ

「メガネ付き」と呼ばれ、不人気で相場も安いものだったが
それを加味しても、二度とは出会えないであろうものだった

とはいえ安いには安いなりの理由があるのだろう、と考え
状態をチェックしてみたけれど、悪いところは見当たらない。
レンズとメガネに傷はなく、やや曇りは見られるものの、酷くはない。
ヘリコイドや絞りリングの動作も非常に良好である。

合わなければ、手放せば良い。
合わなかった、という事実が残れば悔いはない、と思い決断をした

street

手に入れた直後、熊本へ飛ぶことがあったので
意を決して、このレンズ1本でいくことに決めた。

ボディ1台にレンズ1本
中判のボディ+レンズ数本を鞄に入れて歩き回っていた頃から考えると
驚くほどに荷物が軽くなっている

約1年ぶりの熊本ということで、たくさん撮った
河原町も撮った。益城町も撮った。友達も撮った。

帰ってきて現像、データ化祭りである。

正直、最初はあまり良さを感じなかった
こんなもんか、やはり伝説は伝説なのか
悪くはない、というか当然良いのだけれど
そこまで神格化されるほどの良さがあるか、と言われると
疑問を感じないと言えば嘘であった

NEVL

しかし、撮影したネガが進むに連れて、少しずつ見え方が変わってきた
撮り方に慣れたのか、レンズが馴染んだのか(そんなわけないか)
或いは前半は露光が微妙だったのか…(この説が最も有力)

古いレンズだけに、開放はフワフワである
まるで球面ズミルックスの35mmのように、しかしそれほどきつくはない
但し、f2同士で比べれば、ズミルックスの方が描写性能は上である

絞ればフワフワも落ち着き、しっかり描写してくれる。
しかしコントラストは上がらず、トーンは豊かである。
シャープネスも十分、モノの質感も非常によく表現されている。

お店の人は「描写はまぁまぁ普通ですよ…」と言っていたけれど
きっと、カラーでしか試写していなかったのだろう
質感表現やトーンなどは、モノクロで撮って初めて見えてくるものである
(いやわかる人にはカラーで撮ってもわかるのかもしれないが)

さらに言うと、まだ暗室でプリントすらしていないので
最終判断をするには時期尚早であるのだが

とはいえ第1印象からうってかわって気に入ってしまったわけだが
さすがにちょっとレンズが増えすぎているので、整理する必要がある

悩める日々は終わらない…

goto Top